Switchのヴィジュアルノベル:デイグラシアの羅針盤の記事です!
「あれ? この作品過去記事でやってなかった?」
そうなんですよ、約3年前にクリアして記事化してるのですが…
- 今の書き方のスタイルで書き直したい!
- もう一度あの物語に触れたい!
ということで、この記事(再プレイ)を書いた次第です。
ちなみに過去記事は残しておきますので、3年前の評価・感想についてはソチラをご確認ください。
では、今回のお品書きへ!
ゲーム紹介:あらすじ&登場人物紹介
まず、この作品のプロローグはかなり長いです。
プロローグ開始:
時間はまだ夜明け前、或る男が何者かに呼び出されて車で移動しているシーンですね。
「〇四○○に、風の島で」
呼び出された先は風の島。
海に浮かぶ人工島で、その最たる特徴は巨大な風車を利用した自然エネルギーによる発電です。
或る男は海岸線に到着し、あたりを見渡す。
その先には呼び出した張本人:片桐一瀬と呼ばれる人物が…
彼の声が聞こえ、指差す方を見ると…そこには海に浮かぶ…
プロローグは別の場面に移り、海難事故の調査報告が流れる。
その事故の生存者は二名
一人は片桐一瀬、
そしてもう一人は…?
更に場面は移り、今度は潜水艇の就航式典の場面ですね。
ROMLESという海洋研究機構が作った潜水艇のお披露目会が行われ、
それに参加している人物のシルエットが表示されます。
これが目印となり、各主要キャラクターの個別プロローグが始まります。
各キャラのプロローグを見終えると就航式典は終了となり、遊覧潜水艇:SHEEPⅢの処女航海(本編序章)が始まります。
この時、式典参加者でもある本編主人公が搭乗口から潜水艇に乗り込んでいきます。
彼はこの処女航海に
ある決意を込めて、搭乗口へと進んでいきます…
というわけで、今作主人公が搭乗手続きを行う際に…
搭乗前に主人公名の入力ですね!
というわけで、今回のプレイで名乗った名前は…
うん、古風な服着てるひねくれ者感が…
名は「もり」
…まもるじゃないよw(自虐的ネタ)
好きな名前でSHEEPⅢに乗り込もう!
乗り込んで以降は楽しい深海遊覧船としてのSHEEPⅢをお楽しみください♪
わくわくドキドキ海洋ヲタククイズなど、きっと新発見がありますよ?
では、そんなSHEEPⅢ搭乗主要キャラをご紹介!
SHEEPⅢチーフ添乗員:百井 縁
展望室で余興の進行をしている海洋学大好きなお姉さん(?)
だがしかし、彼女はこの潜水艇:SHEEPⅢの責任者!
その仕事は乗客の接待だけでなく、身の安全を守るため様々な訓練を積んでいます!
きっと劇中では頼りになる存在となるでしょう…
SHEEPⅢ船医:柊乃 蒼佑
主人公以外では唯一の男性キャラで登場キャラの中でも最年長です。
プロローグ中、彼の視線は海ではない何かに向いてましたが、はたして?
細身で長身ですが、その体力や筋力は主人公よりも遥かにたくましい!
船医のコートを適当に羽織ってますが、そのポケットには煙草ではなくて彼専用のタブレット(ミント)が入っている。
事あるごとに勧めてくるが、皆から断れて残念そうな顔をする悲しき男…
深海初めて女子高生(一般人):野村 灯理
展望室の余興「海洋オタククイズ」の回答者になった少女。
元気いっぱいで明るい彼女、ROMLES関係者(海洋オタク)達の中では珍しい一般人枠の乗客。
専門用語などわからないプレイヤーと同じ視点で質問してくれます。
不思議少女:リュミエール=光理
展望室で出会う不思議少女。
自称詩人らしく、リュミエール=光理はペンネームなのだとか?
姉を探しているらしいが…?
詳しくはゲーム本編で!
【ゲームの顔】自称天才美少女:西芳寺 ときわ
このゲームと言えば、この娘だ!
と言えてしまうキャラ!w
とにかく素っ頓狂、やることなすこと破天荒でエキセントリック!
だがしかし、そんな自称天才物理学者さんは本物の天才美少女(?)だったりします…
この娘がいないと物語的に破綻してしまうほど重要キャラなので、細かい事には目を瞑りましょう…
そんなメンバー達との楽しいやりとりもつかの間の事…
突如、鳴り響く緊急の船内放送!
乗客、そして乗務員に対しても高圧的で強制力を伴うアナウンスが!
その後、防護服に身を包んだ一団が雪崩れ込み…
ここまでが本編プロローグ、以降から遂に本編が開始されます!
では、恒例の悪い点からいってみよう!
悪い点:6点
悪い点①:フローチャート&シーンジャンプ機能がない
ノベルゲームで是非ほしい機能として、各ルートが何処で分かれるのかがわかるフローチャートが欲しい所!
なのですが、この作品はあんまり分岐は気にしなくて良い作品なのでフローチャートが無くてもまぁ…
それよりも欲しいのが各シーンへのジャンプ機能ですね!
例えば人魔みたいに既読スキップ&選択肢までスキップ機能あればそこまで問題になりませんが、この作品はとにかく長い物語なので既読スキップだけでも大変…
そんなわけで、対策として…
今作はセーブスロットが100個あるので、各シーン毎に手動セーブして自作シーンスキップするくらいしか手がない…
とりあえず、名曲:aimlessかかってきたらセーブ分けとこうかな、ウン…
悪い点②:人(プレイヤー)を選ぶ作品
悪い点+良い点それぞれの理由により人を選ぶ作品だと感じています。
どの辺が人を選ぶのかは以降をご確認いただければと…(まとめにも載せますが)
少なくとも万人受けしないかと思われる…
悪い点③:一般的なヴィジュアルノベルゲームではない
一般的なノベルゲーは多岐にわたる選択肢を選び、物語分岐のフラグを立てて各エンドに到達する…
そんな感じですよね?
この作品、物語の分岐フラグというか…
選択肢を選ぶのが2シーン、かつ各2択しか選択肢がありませんw
その内1シーンは物語分岐に全く関係なく、そもそも1週目は選択肢すらありませんw
更には、プレイヤーが判断を下せるシーンは先の選択シーンとゲーム紹介で画像を載せた主人公名入力しかありませんw
あくまでもゲーム要素はそれだけで、あとはひたすら読み進める作品です。
コレをプレイヤーはどう受け取るかですね…(人を選ぶ作品の理由①)
悪い点④:ときわワールド!
登場キャラの内、トンデモな独自の方向へ突き進んでいるキャラが居ます…
そう、それが…
自称:天才美少女!
初登場からずっと、基本あんな感じのキャラです…
劇中の深海に沈んで取り残される潜水艇にいながらも、ほぼほぼ緊迫感がないw
プレイヤー的には物語の真相を優先したい方がほとんどだろうし、そんなシリアス展開をぶち壊す彼女をどう思うか?
…簡単に想像できる…
特に、初見プレイするプレイヤーは、「アノ娘なんやねん!」状態になる可能性大…(人を選ぶ作品の理由②)
勿論私もそんな感じだったのですが、彼女が発動する「お笑いときわワールド」が結構ウケてた質なのでまだ大丈夫でしたw
ただね、仮に彼女のお笑いワールドにウケなかったプレイヤーの方であっても…
1週目(エピソード1)を終わらせてみてください。
そんな物語のお邪魔キャラ扱いを受ける可能性が高い彼女…
それをいとも簡単に挽回してしまう恐ろしい娘!
多分、彼女に○かされるよ?
悪い点⑤:一部キャラの見せ場に何かが足りない
主に回想シーンになりますが、劇中で多数の泣き場面や盛り上がりのシーンがあります。
どのキャラにもそれ自体はあるのですが…
一部キャラ…というか、船医:柊乃だけ何故か立ち絵のみで一枚絵が存在せず…
良い点⑬にも書いてますが、柊乃は今作においてまさに精神的支柱のキャラとなり、プレイヤーにとっては全ルートにおいて好きなキャラと成りえるキャラです。
なのですが、ヴィジュアルノベルあるある:オッサンキャラ(柊乃がオッサンという訳ではないが)には一枚絵が用意されないパターンに陥っている…
神はなんと残酷な罰を彼とプレイヤーに与えたもうたか…
頼む、彼と我らを救い給え…
本気でそう思います…
男性女性関係なく、柊乃は愛されて然るべき…
悪い点⑥:ゲームの最初からプレイできない
最初からプレイ可能にしてほしかった…
補足しますが、完全クリア後でもプロローグから物語を最初から開始することは可能です。
私が欲したのは、今までの既読文とかゲーム独自の進行システムをリセットできる機能です。
コレ、他作品含め私的には必要のない機能と考えていました。
同じ映画を何で複数回映画館で観るの?
なんで物語知ってるのに再プレイする必要あるの?
そんな考え方をするライトプレイヤーだからです。
せっかく時間をかけてフラグとか実績、達成率とか上げたのに何故リセットする必要が?
今もそう思ってます。
でも、この作品については是非使いたかった…
記憶は消せないけど、また本来のゲームの流れで物語を読み返したかった。
悪い点として書いてます。
しかしコレ、逆説的に考えてみると?
かなり良い点(物語+ゲームの流れ)として捉えてもらって構いません!
では、次は良い点行ってみよう!
良い点:15点
良い点①:本編開始、OP動画による今後の行方に注目(波瀾の兆し)!
上記物語紹介の様に、ゲームスタートしてしばらくの間プロローグが流れます。
そして、物語の本編が開始されると…
↓動画はデイグラシアの羅針盤:公式YouTubeのOP動画です。
動画見て、なんか興味持った方!
その感覚はおそらく正しいと思われるので是非プレイして見てください!
この不安を煽り立てるような感じのOP…
これこそデイグラシアの羅針盤!
良い点②:本編開始、OP動画による今後の行方に注目(希望の兆し)!
さて、上記OP動画とは別パターンが存在します。
ハッキリ言えば3週目、あのルートの本編開始動画ですね!
この希望に駆り立てるような感じのOP…
これこそデイグラシアの羅針盤!
良い点③:OP・EDともに主題歌ありますよ!
- OP曲:ellipse jail (和訳:楕円の刑務所)
- ED曲:海が見える
歌い手はハネダアカリさん…
私的には、やはりOPがアツいです!
1・2週と物語の結末を見てからの最後の選択、そして始まる希望の兆しのOP!
もう一度言おう…
コレはアツい!
良い点④:クリア後のエクストラストーリー!
クリア後にはエクストラストーリーが追加!
登場人物:6名を主軸とした物語となり、彼・彼女たちの過去の物語+劇中、地上では何が起きていたか?
特に見所は、劇中で深く語られていなかった柊乃と灯理の物語!
エクストラストーリーでも泣けてしまう凄い作品であり、
注目はSHEEPⅢ事故後、深海では情報が入らなかった「海上では何が起きていたか?」の答え合わせの物語。
改めて、エクストラストーリーを読んで初めてこのゲームのクリアとなります…
良い点⑤:海難事故現場でのミステリー要素!
上記紹介の通り、処女航海中に深海へと沈没してしまった潜水艇…
どうやって脱出するかで四苦八苦する登場人物達。
だが、命懸けの脱出劇は悉く失敗していく…
それはまるで、妨害者がいるかの如く…
妨害者は存在するのか?
そして彼は潜水艇の内部にいるのか? それとも?
そんな感じでミステリー要素もシッカリあります!
良い点⑥:SHEEPⅢ チーフ添乗員:百井 縁!
言動や行動など、潜水艇:SHEEPⅢの責任者として毅然と振舞う我らがチーフ添乗員:百井縁さんですが…
所々で結構なポンコツ感を披露しますw
まあ、可愛いのなんのw
彼女はこの船の責任者になるためにひたすらに訓練を重ねています。
主要なところではその優秀なポテンシャルを発揮します!
そして、その責任を果たすために奮闘します!
あと、ちょっとしたエロハプニングもありますが…w
要するに、百井縁…
大好きなキャラですねw
良い点⑦:その笑顔を守りたい!:野村 灯理
物語紹介の通り、潜水艇:SHEEPⅢの処女航海搭乗者はほとんどが関係者。
その中でもかなり希少な一般人参加の女子高生:野村灯理
そんな現役女子高生は、元気一杯・明るく純真な少女!
そんな彼女の笑顔を守りたい…
主人公含め、登場人物(緑の人は置いといて)は守るべき対象として彼女を気にかけていきます。
しかし、そこは深海に沈んだ潜水艇…
事態は更に深刻な状況へ…
彼女の動向も気になるところ!
良い点⑧:最強伝説!
この作品、究極の万能アイテムが存在します。
その名は、
ディバイディングドライ!
詳細は劇中にてご確認ください。
※用法・用量を守って正しく使いましょう!
良い点⑨:感情の起爆スイッチを押させる秀逸さ!
物語を読み進めて行くと各キャラクターの過去を知っていくことになります。
その過去があるからこそ、この潜水艇に乗っているわけですが…
特にプレイヤーが一番感情移入しやすいのは主人公であり、別キャラがその過去や現在の状況に至った経緯に強く触れてしまう発言をすると…
感情を爆発させてしまう起爆スイッチと言えばよいのか、劇中主人公と彼に感情移入しているプレイヤー自身にもかなり「ガツン!」と来ます…
例えば、↑シーンは自然な会話の流れで感情起爆スイッチが押されてしまう場面であり、
その他のパターンとして、諸般事情により心理的に動けない状況の主人公に対して…
コレ、発言したキャラの性格も考えると…最も確実に主人公の感情起爆スイッチを押させるシーンでした…
ゲームのキャラクターに感情移入しやすいプレイヤーの場合、これは本当に良い点だと思われます。
あと、この感情起爆スイッチは…
なにも「セリフだけ」ではありません!
良い点⑩:回想シーン ピアノ曲:aimless
ハッキリ言います…
この曲かかってきたら回想シーンです!w
感情起爆スイッチ押して良い!
いや、むしろスイッチ押されてます!
ああ、これがオペラント条件づけというやつかw
Xにて、デイグラシアの羅針盤と掛けてテラフォーマーズと解く…やりましたが、
その心は、どちらも回想シーンが良い作品ですね!
良い点⑪:この作品は知識の宝庫!
劇中で、多種多様なジャンルの単語が飛び交います!
主に取り扱われているジャンルとして(あくまで主観でのジャンル分け)
- 生物学:生命の自然発生説(アリストテレス)、進化論(ダーウィン)、人為選択説、原初の生物、レトロウイルス、ヘイケガニ、クジラ、マグネトソーム
- 海洋学:深海の定義、深海温度、その海水が地球を一周するのは何年?、スケーリーフット
- 海難事故:洞爺丸事故
- 文学:異邦人(カミュ)、高瀬舟(森鴎外)
- オカルト:メアリー・セレスト号事件・バミューダトライアングル・フォスダイク文書
- 倫理:トロッコ問題、最大多数の最大幸福
- 神学:神託
- 哲学:親殺しのパラドックス
- 心理学:オペラント条件付け
- 医学:トリアージ、チアノーゼ、ヒポクラテスの誓い、HeLa細胞
- 機械学:潜水艇の作り
- 情報通信学:クラッキング、セキュリティマネジメント
- 技術史:グーテンベルクの活版印刷術
等々、本当に一部しか載せてませんが沢山の用語が劇中で語られます。
もちろん、単語のみしか出てこないケースもありますが、基本的に劇中に絡む単語は要点が解説されますので安心してプレイ可能!
この作品で知った事、沢山あります。
良い点⑫:物語は深海へ沈んでいくかのように
ゲームの累積プレイ時間について、通常価格:990円に対してプレイ時間がかなり長い!
switchのアカウントデータからの推測になりますが、初見プレイ時で累計約35時間、今回の再プレイ後には65時間以上となってましたw
平均クリア時間32.5h!?
(人を選ぶ作品の理由③)
ちなみにコレ、なにが凄いのかと言うと、
インディーズノベルゲーにおいて、私調べのクリアまでにかかる時間(DLCなし)は凡そ4~15時間程度。
軽く倍以上あるのですが…
更には、他のゲームはプレイヤー判断による選択肢等でフラグを建てて物語を進行してくのに対して、今作は悪い点③の様に、ほぼプレイヤー判断がないゲームなのにこんなプレイ時間なのである!
そんなわけで、印象的に…
↑画像のような印象が大変強い作品
だがしかし、悪い点④の通り…
「もっと簡潔に! 物語の真相を教えてくれ!」
というプレイヤーには不向きかもしれない…
でも、そうですね…
シリアス展開・ミステリー展開・グロ展開・雑学・お笑い展開・泣き展開など各展開に対応可能なプレイヤーにおいては、
まるで深海に沈んでいくかのように物語は深い!
その最たるは…良い点⑭⑮へ
良い点⑬:泣きシーン多数な作品!
今作はある理由によりメチャクチャ泣ける作品でもあります。
その根幹にあるのは良い点⑭の理由からだと思うのですが…
特にこの辺については感情移入型プレイヤーに是非オススメしたい作品ですね。
ところで前回・今回と2回クリアしてみて、どのキャラが私を泣かしに来たのか…?
改めて思い返すと…
最大級に泣かされたキャラ:ときわ!
これは1・2回ともに変わらず。多分、今後も揺るがないと思われます。
そして、ゲーム全体(総合的)で泣かしに来たキャラは…
そう、柊乃先生です!
1回目のクリア時、エクストラストーリーを読んでいます。
それが頭に入ってる状態で2回目のプレイをすると…彼の言わんとしている事、心情からグッと来ます…
この作品、クリアまでにかなり時間をかける事になりますが…
再プレイして見ると、更にこの作品の良さがアップする凄い仕様です…
あと、最も感情移入しやすい主人公もそうですし、エクストラストーリーの灯理も泣かされます…
良い点⑭:物語の本質、罪悪感が紡ぐ物語
劇中、アレに襲われます。
3年前の初見プレイ時、韓国の開発者:SOMIさんの罪悪感三部作をプレイしていなかったので、コレが何だかピンと来てませんでした。
今なら言えます…
この作品の本質はアレです。
罪悪感三部作は一つのシーンに凝縮してアレがきますが、
今作では各登場キャラの回想シーンでアレが飛んできます…
だから、私の中で名作なのでしょう…
彼らは過去・現在において罪悪感(もしくは後悔)と戦っています。
そしてコレに襲われる時、大抵流れてるのは回想シーン曲:aimless…
実際、ココの記事を書いてる時…
名曲:aimlessかけながら書いてますが…
プレイヤー的に来ますね…
体が熱いのか、心が熱いのか、目頭が熱いのか…
よくわからない…
いや、全部ですねw
罪悪感三部作もそうですが、この作品を特にオススメしたいのは感情移入型プレイヤーです。(人を選ぶ作品の理由④)
良い点⑮:一つの物語の終着点
各ルート毎に物語の終着点として事故調査報告書(エンディング)が流れます。
これがまぁ…ネタバレになるので書きませんが…
コレは是非プレイして見て実感(体験)してください…
では、まとめへ!
まとめ&今回の関連記事リンク
まとめ:
端的に言えば、長編読み物系ゲームの名作です!
そして、私の中では泣きモノノベルゲームとしての名作…
物語の展開など、良い点を見て頂ければ何となく察して頂けると…
ただし、この作品には注意点が存在し…
少々、プレイヤーを選ぶ作品です…
悪い点・良い点にも書きましたが、まとめると…
そうなんですよね、特に③のただただ読んでいく(動きもない)ゲームに耐えれない人もいるでしょう…
更に、④の展開が続くのでその緩衝材としてお笑い展開②があるのですが、コレもウケれる人でないとずっと暗い上にストレスがかかります…
トドメに⑤物語はこういう結末でした!
それは明確に書かれていません…
その為、読了したプレイヤーが物語をどう捉えるかが重要となっています。
作家が「この作品はこういう結末です!」と書いてあれば、その良し悪しを評すればよいし、もしくはソレを素直に受け取ればいい。
この作品はそういうものがありません。
自身でその結末を感じ取り、作品の締めをしなければいけない…
この辺は十人十色なのですが、そんな抽象的なのはイヤという人も恐らくいるはずです。
なので、敢えてこの作品をオススメ出来る人(プレイヤー)は…
特に④感情移入型プレイヤーにオススメします!
少なくとも…
「結末知ってるのになんで同じゲームする必要あるの?」
という考えを持つライトプレイヤー(私)を
ボロカスに泣かす作品ですw
しかも初見プレイもさることながら、物語知ってると自負する私、
再プレイで更にボロカスに泣かすという凄い作品w
とりあえず気になったら、上記のOP動画見て頂いて、何かクルものがあればセール利用してでも良いのでかってみてはどうでしょうか?
私は通常価格で買いましたが、充分に買って良かったと言えます!
3年前の記事の終わりにも書きましたが、
この作品をプレイしたから、今の自分があります…
では、以降にクリアした人向けの追伸となります。
追伸:クリア後の徒然なる想い(※ネタバレ特大注意!)
というわけで、あくまでも私個人の感想です。
以降、ものすごくネタバレが含まれますのでプレイ中の方、プレイ予定の方は…
せっかく深くて泣ける体験ができる可能性がある作品の良い部分を失いかねないのでご注意ください。
…てか、我ながら大きく出たなw
では以降が追伸です↓
↓
まず、1回目のクリア時(3年前)の感想について…
私はエンディング1・2の世界線と、エンディング3はパラレルワールドの物語だと思っていました。
元々エンディング1&2の世界線で物語が進んでいたのが、より最善の選択(本名を名乗る)を名乗ることにより別の世界線に主軸が移ったのだと勝手に思ってました…
なので、全員ハッピーエンドになって良かった!
という印象のまま終わってました…
今思い返すと、
「お前、完全に読み違えてるぞ!」
「意図的にハッピーエンドにしたくて気づいてないフリしてるだろ?」
という感じですね…
純粋にハッピーエンドの感想でいたいのなら2回目のプレイをしなけらばよかった…
というわけで、再度2回目のプレイで自分のアフォさに気づいたわけですが…
このクリア後の感想が様変わりするの、なにかのゲームでもありまして、
ゲームクリア、ハッピーエンドで良かったね!
→ゲームを続ける
ナレーション「本当に続けるのですか?」
ナレーション「せっかくハッピーエンドで終わったのに?」
ナレーション「なんでも真実を知ることが良い事ではないのですが、それでも続けますか?」
→ゲームを続ける
・・・という感じのアレに近いw(もちろん、真実はバッドエンドだったりするアレです)
2回目のプレイでの感想は…
ハッピーエンド?
いいや、アンハッピーエンドだろ?
の一言です。
というのも、今作の最大のテーマは劇中で縁さんや黎理、ときわから告げられている
最善への行動の結果が最悪であったらどうすべきか?
端的に言えば、ずっとこの解答を追い求めているゲームです。
そして、真に最善の行動はなんだったのか?
皆が救われる方法はあったのか?
そしてこの物語でいう現実の結末はどうだったのか?
これらは明言されておらず、公式のゲーム紹介にあるとおり、
正解のない物語です。
これはあくまでも私の感想・考察なので、それが正解なのかはわかりません。
この作品の現実はエンディング3の世界線だと考えます。(別視点での後述あり)
というのも、SHEEPⅢのブラックボックスであり、船内で起きたことを記録したオニキス。
コレに例えシミュレーションの機能がついていたとしても、エンディング3の事故報告に表示される年表…
各キャラの誕生年なども表記され、黎理のうさぎ殺し事件なども表記されています。
あそこまで表記されて「シミュレーションです!」ということはないかと思います。(後述A)
それこそ、灯理や黎理でないと知らない情報ですし…
また、エンディング3ルートでの会話もおそらく現実に話されたことで船内の記録としてオニキスに残されていたと思われます。
それに、物語のプロローグ冒頭の夜の海岸線の話が意味をなさなくなりますしね…(後述B)
では、一見ハッピーエンドに見えるエンディング3ですが、私はハッピーエンドにはならないと考えます。
理由は、
6つ目のエクストラストーリー:片桐一瀬の記録
プロローグのあの場面に登場するのは、潜水服に身を包んでいたのは光理であり、助けに海に入ったのは一瀬の連絡で駆け付けた車の運転手、ときわ&光理の父:西芳寺望。
そして、望を呼び、光理を発見した主人公の姉:片桐一瀬です。
当時の状況は風の島に第五の日のスーパーフレアにより制御不能となったゆうなぎが衝突、ときわ提唱の人口光合成による副産物:メタン等がギリギリの状況で抑えられ、大爆発までには至らなかった風の島。
その風の島近くの海上に望と光理がいる状況。
ところがその状況で、深海では主人公たちがオゾン爆発により深海からの脱出を決行しており、その衝撃が海上へと伝わり、ギリギリの状況で耐えていた風の島のメタンに届き、風の島が大爆発を起こす。
その衝撃により、風の島から少し離れた場所にいた片桐一瀬は、自身の声を発生させるヘルメットが保護具となり生存が確定している。
不確定なのが光理と望だが、生死は書かれていないが、望はスーツ姿で海上にいたのが描写されており、衝撃に無防備な望は残念ながら助かる見込みがほぼない…
光理は潜水服を着てはいるが、完全防備の状態で水素爆発で重傷を受けた主人公の事を考えると、浮力を得るために重り等を取り除かれており、耐久性は落ちている。
さらに、描写として望が光理のヘルメット外す際に爆発が起きており…
光理も無事だったかは書かれていないが、状況的にはおそらく…
そしてクリア時のアナウンスにはわざと最後に生存者:6名としか表示されていない…
仮に光理・一瀬が生存していたとしても、ときわ&光理の父:望が死亡している可能性が高い為、
主人公が望んでいるSHEEPⅢ登場人物の全員生存:7名が生きていても…
きっと彼は最善の選択(ときわ&光理の笑顔を守るため)を求めてシミュレーションを止めないだろう…
劇中の主人公はこう言っています。
どこまでだって遡って、俺は、掴み取ろうとしてしまう
その上で、ときわが語っていた内容がこの作品の救いであり、最善の選択を探し続けた主人公に対する回答だと感じます。
ときわ:
「ただその時々で、自分が善いと信じる道を選び、そして、その結果を受け入れることです。」
ときわ:
「貴方が胸を張って選んだ道なのであれば、どんな結果でも胸を張って、享受すればいい。」
ときわ:
「導かれてきたこの場所を、私たちは受け入れることしかできないのですから。」
その時、それが最善と考え行動した結果が、仮に最悪であったとしても…
それを受け止めるしかない。
そして、それ以外の方法があったと検討することに意味はない…
主人公は少なくとも、自身を含め登場人物:7人の生還を目指し続けましたが…
その正解の選択肢はありません…
あとはそう、黎理の言う通り…
こうして、主人公は…
主人公の最善探しの旅をずっと見守ってくれていた縁さんと共に、ROMLESの白い部屋、オニキスのシミュレーションルームから外に出る。
外に出ると、そこには…
とても穏やかな青い海があった…
もう一度になりますが、
公式のゲーム紹介に「これは正解のない物語」とありますが…
主人公が求める正解はゲーム上にありませんし、プレイヤー自身がこの物語はこうじゃないか?という正解もない…
そんな物語となっています。
あくまでも上記の考察は私が考えた一例です。
それでも、エンディング1・2で何故縁さんが生存者は2名とウソをついたのか?という疑問は残ります。
ですが、それは主人公をずっと見守り続ける縁さんのやさしさで、
自身(片桐一葉)の生存を認めない主人公が、頑なに偽名を使い続けたとして、
どの最善の選択をしても、(シミュレーション上では一葉と縁しか助からないので)結果は変わらない。
縁:
「だから、もう…」
「最善探しの旅を終えていいんですよ、一葉さん…」
と、主人公が最善探しを諦めて現実(エンディング3の世界)を受け入れ、皆の元へ戻ってきてくださいという物語と考えます。
では、ここから別視点として、
エンディング1・2の縁さんと主人公のみが生存したのが現実だったのではないか?
という見解もあります。(縁さんがウソをついていない世界線)
その場合、その他の主要人物は残念ながら…
全員生還して地上へ戻るエンディング3(ただし、それでも全員を救えない)はただのシミュレーション結果だったとするケースです。
このケースの場合、エンディング3のときわ達の会話は実際に存在していなかった。
この場合、海上からやってきた救助者は…おそらく西芳寺望だったと想定します。
7年前の事故後、救助艇に変わったSHEEPで助けに来たわけです。
彼ならCOOSの存在を知っていますし、もしもCOOSの存在がSHEEPⅢで確認された場合、
ROMLESが救助に来ないことも知っています。
そして、SHEEPⅢに彼の最愛の娘2人がいることも知っている…
彼は単独で救助に行くしかない状況だったのでしょう…
エンディング1 or 2どちらが現実だったのかはわかりませんが、
オニキスのシミュレーションにエンディング3のシミュレーションを追加したのは、おそらく姉:片桐一瀬だったのではないでしょうか?
姉も弟も最善を探そうとしている…
それでも、現実はかわらないのでシミュレーション内にできるだけ希望のあるエンディング3の状況を忍ばせ、生存者になれなかったときわの言葉として、主人公に最善探しの旅を終え、現実を受け入れ、事実を享受するよう説得したのかもしれません。
しかし、このケースだと上記の後述A・Bが意味をなさない為、違和感がありますが…
ただ、どのルートであれ、どれが現実の世界だったとしても、ときわ達の言葉を心に刻んだ主人公はシミュレーションによる深海に沈んだ潜水艇の中にある最善の選択を探す旅を止め、ROMLESの白い部屋から出て、現実に広がる青い海を見つめながら事実を受け止め、享受する…
それがエンディング3を終えた際のスタート画面、穏やかな青い海のシーンなのかと思います。
補足:
デイグラシアの羅針盤が、もしも最初からメアリー・セレスト号を指していたら?
SHEEPⅢの時刻は主人公の改ざんによって1時間ズレています。
オゾン爆破を開始したのがPOL時間で3:30(現実時間4:30頃)
一瀬と望、光理が海上・海岸にいた時間が凡そ4時頃
この時間帯以外でオゾン爆破をしていたら、ひょっとしたら光理も望も…?
しかし、それは深海でも海上でも知りえなかった事…
時間というよりも、私が想うのは…
彼・彼女が海上にいること、そして風の島に起きていたことを知ることができたなら?
ときわや黎理が気づいてくれていたかもしれませんね…
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