俺「時代劇で『お天道様が許しても、この俺が許しておけねぇぜ!』 とか言うよね?」
回答「そんな『お天道様はお見通しだぜ!』の不思議なお話の始まり始まり!」
今回の記事は、名著:その悩み9割が勘違いで気になったワードの紹介です。
ある心理学者の実験で、プリンセス・アリスの実験というのがあるそうです。
これは子供にルールを守らせるためには想像上の存在が有効に働くかの実験です。
ある小学生集団をA・Bグループに分けて実験を行いました。
以下は簡単な実験内容のまとめです。
- 各自個別の部屋を割り当て、的当てゲームをさせる。
- ゲームにはルールが存在し、そのルール通りにゲームを行う。なお、このルールを順守すれば的にほぼ当てれない。
- ルール説明後、子供一人だけの状態でゲームをさせる。
- 観察者は隠しカメラでゲーム状況を観察する。
- ゲーム終了後、子供たちに結果を聞く。
- 各自個別の部屋を割り当て、的当てゲームをさせる。
- ゲームにはルールが存在し、そのルール通りにゲームを行う。なお、このルールを順守すれば的にほぼ当てれない。
- 各部屋に椅子が置いてあり、子供に「あの椅子にはプリンセス・アリスという王女の精霊が座っている」と説明する。
- ルール説明後、子供一人だけの状態でゲームをさせる。
- 観察者は隠しカメラでゲーム状況を観察する。
- ゲーム終了後、子供たちに結果を聞く。
要は、想像上の人物(もしくは精霊・神様)がいた場合、行動に変化があるのかの実験ですね。
もちろん、Bグループの子供達は半信半疑の状態だったようなのですが、Aグループに比べ、ほとんどの子供の結果が変わったそうです。
以下、実験結果です。
Aグループの結果:
ほとんどの子供は的に当てることが不可能と感じ、悪戯を始め、ルール無視で的当てを行ったり、嘘の結果を伝えてきた。
Bグループの結果:
Aグループの子供同様に的に当てることは不可能と感じたあと、椅子に向かって行ってアリスの存在を確かめ始める。
もちろん誰もいないのだが、確認した後もルールを破らずにゲームを続けた。
つまり、想像上のアリス様がみていると、子供たちはルールを守りやすくなるという実験結果でした。
人の視線を感じると悪さができないのと同様に、想像上の人物であっても効果があったというお話。
そもそも人間は、一個体がどうやって生き残るか?という一匹の猿の概念から、生き残りやすいよう協力集団を形成していった際、集団の掟を守って生きる様に進化をしていったそうです。
その進化の過程で、人の視線を感じると「ルール(掟)を守るモジュール(部品・機能)」が起動しやすくなっているそうです。
例として、映画:七つの会議で言うなれば、社員販売として無人のドーナッツ販売を行った際、食べたい人はお金を徴収箱に入れるルールになっていたのに在庫と販売金額が合わない=誰かがお金を払わずにドーナッツを盗んでいる状況だったとします。
ちなみに劇中では全く別の悪意を持って犯人はドーナッツを盗んでいたわけですが、仮に嫌がらせ目的ではなくて純粋に盗んでいた場合(それもどうかと思うが)の対処として、「にらみを利かせた人の顔のイラスト」を壁に貼っておく、それだけでルールを守る頻度が飛躍的に増加するとしています。
時代劇で言うお天道様→太陽→神様仏様といった概念で「お天道様(神様)が見てるから悪いことはできないぜ!」というのをイラストで代用するといったお話ですね。
この辺はその昔の宗教による人間の統制的な話みたいなものもあるのでしょう。
現代の子供に例えると、親の言う事を聞かないと「赤鬼からの電話」がかかってくるアレですね。(ちょっと古いか?)
また、現代の大人からすれば監視カメラやスマホカメラ、SNSがその代わりを担っているようなもんでしょう…
自分風に例えるなら、自宅で読書するよりも他人の目がある場所で本を読んだ方が読書が捗るという現象を頷ける実験結果ですね。
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