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すらすら読める徒然草 感想・考察

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兼好が遺した順不同の243段、ジャンル別+現代語で59段ピックアップ!

今回紹介するのは、古典の授業でおなじみの徒然草です。

さて、徒然草原文なのですが、作者:吉田兼好が思いついたことを書き綴っており、次の段が同じジャンルの内容で書かれているというわけではないらしい。

先回紹介した「史上最強の哲学入門」もそうですが、入門として理解していくうえで、各年代ごとに現れる哲学者を順追いで見ていったとしても、何が何だかわからなくなります。

そういう意味で、著者をざっくりとした年代でジャンルや体系的にまとめ、順を追って解説していくからこそ、あの作品はわかりやすかったと思います。

この作品も同様に、著者が12ジャンル毎に各段をピックアップしてくれているのと、各ジャンルで著者の解釈をまとめてくれているので、読者としては大変助かる作りになっています。

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本の説明に関してはこの辺で。本文については、

つれづれなるままに、日ぐらし~」

高校の古典で出てくる、この言葉・・・

この「つれづれ」について、著者は身を閑の状態において己の内をのぞき込み、己と相対している状態と解しており、それが最善の状態と考えています。

ちなみに、とは「暇なこと。また、落ち着いてのどかなさま。(引用:コトバンク)」とのこと。

ところで、作者の吉田兼好が隠棲を開始したのは31歳以前のようです。

現代で言う隠棲するような状態は、修行のために出家中だったり、世捨て人のような状態、もしくは定年退職して老後の余生を送るとき・・・と思ってしまいます。

「人間五十年~」の信長の時代よりも前の時代、それでも20代~30代で隠棲を開始するのは余程の事かと思われます。このころから閑に入ったのでしょうか?

現代の寿命が、昔よりも仮に1.5倍ほど長かったとして、30代~40代での隠棲開始となる・・・早い!、かつ、うらやましい話と率直に思います。

これについて、作者:兼好(著者も)は以下のように書いています。

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第102段(抜粋)「人間界の儀式はどれをとってもしないですませれるようなものはない。~~が、万事そんな風にしていたら~~一生はつまらぬ小さな事どもにかまけ~~空しく暮れてしまうのだ。~~今こそ世間とのもろもろの縁を断ち切るべき時だ。~~非難されようが自分は気にしない、誉められても耳に入れまい。

特にこの段は名著「嫌われる勇気」にも関連ある言葉と感じます。

同様の件について、

第59段「人生の一大事を行おうと思い立った人、たとえどんなに棄てがたく心ににかかることがあっても、~~中途半端なままでもただちにそっくり捨てなければいけない。

この段については、ユダヤ人の「タルムード」にあるノーペイン・ノーゲインの原則ですね。

また、昨年の一番感銘を受けた名著「アルケミスト」についても、触れている段があり、

第75段「心を安らかに自由にしておくのこそ、この短い人生をしばらくでも楽しむ生き方というべきだろう。それこそが人生を楽しむ道だ。

兼好がすぐにでも早く閑に入りなさいと言い、著者が閑の状態において己の内(心)をのぞき込み、己と相対している状態が最善の状態と考え、そして、それこそが人生を楽しむ道だという。

★「ここにいないアイツから心を守れ!」と「閑に入れ!」の共通点

これは、「アルケミスト」の心の声を聞け。心は全てを知っていると繋がっていきます。

ちなみに、吉田兼好は鎌倉末期~南北朝時代の戦乱期に生きた人・・・かなりの先人ですね。

さらに著者は、兼好を古代ローマ(紀元前)の政治家セネカと考え方が似ていると評しています。

先にこれら書籍を読んでいたのでアレですが、読んでて改めて連想してしまう吉田兼好・・・

「う~ん、やりますね!」

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