今回の記事は、カナダのインディーディベロッパー(制作会社):Freebird Gamesが制作したゲームで、Switchでのパブリッシャー(販売会社):X.D. Networkの作品「To the Moon」です。
「ん、制作・販売?」という疑問のある方は、韓国の学校ホラーな「あのゲーム」の記事にチョイと書いてあるのでご参照頂けるとわかりやすいかもしれませんね…
ニンテンドーストアでゲーム説明を調べてみると、2011・2012年に掛けてベストストーリー賞やベストインディーRPGとかに受賞されているようです。
ちなみにSwitchでは2020年1月より配信開始となっているようで、かなり後発になりますが、プレイしていこうと思います。
なお、Youtuberさんもかなり高評価されているようですが、今プレイしてみた場合、さてさてどんなものなのでしょうか?
では、以下から物語の冒頭から大体の流れを追っていきたいと思います。
ジークムント社のエージェント&エンジニア、ロザリーン&ワッツが主人公となります。
この物語は、ジークムント社の「とあるサービス」を契約した顧客のお宅に訪問し、サービスを提供するお話です。
さて、その「サービス」とは何なのかですが、予めサービスを契約した顧客が亡くなる直前にエージェントが訪問し、機械を通じて顧客の願いを叶える(夢を叶える)サービスです。
「?」となりますが、要は…
- 死ぬ間際くらい顧客の叶えられなかった願いを叶えてあげて、本人に満足して天国へ旅立ってもらうサービス
- 死ぬ間際の願いを夢や記憶を操作する機械を通じて、幼い頃からの本人の記憶に刷り込み、今までの本人の記憶や公有データを使って再構築し、記憶の中で願いを叶えてもらう
…という感じのサービスです!(ちょっと違うかもしれませんが、そんな感じと捉えて頂ければ…)
なお、人間が死ぬ前に後悔する代表的な一つに「やりたいことをやらなかった」というのがあります。
その辺は割愛しますが、もしも興味があればコチラの記事を見て頂ければ…
とまあ、トンデモ機械なのですが、もしもこんなサービスがあれば、なんか売れそうですね…
てか、そんな夢を売る仕事なのに開始早々、リアルに事故る二人であった…
ワッツを扱き使い、途中のトラップ(?)を回避しながら顧客のお宅に到着します。
クライアント宅に到着後、住み込みの家政婦さんの案内で今や余命1~2日と診断され、意識不明でベッドに横たわるクライアント:ジョニーと面会します。
当の本人が意識不明の為、彼はどんな願い(夢)を叶えたいのかを家政婦さんに確認するのですが、そもそも家政婦さんがコチラで働き始めてこの2年、ジョニーはほとんどしゃべらなかったらしく、家政婦さんも理由はわかりませんが…
という願いをジョニーは持っていたらしい…
そんなわけで、その理由を探すために家政婦さんの子供たちと屋敷内を捜索するのですが…屋敷を探索するほどチョット怪しい物がたくさん出てきて…私的には昔見た美術館探索ホラーのフリーゲーム「Ib」のとあるシーンを思い出した…(※このゲームはホラーゲームではありません)
探索していると、屋敷の近くに灯台があることを子供たちが教えてくれて…
行ってみると「?」なお墓があったり、灯台に入ってみると…
沢山のウサギさんに囲まれたり…(※Ibのようにホラーゲームではありません)
結論「理由がよくわからん!」ということもあり、直接本人の記憶に聞いてみようということで、機械を使ってアクセス可能な直近のジョニーに会いに行くことに…
ここから第2幕の開始なのですが、なんというか…こういう題名付きの章替わり大好きです!
機械によって直近のアクセスに成功する2人、そうして記憶の中のジョニーに会うことができたのですが…
「待て、本人も何故月に行きたいのかわからんだと!?」
でもまあ、月に行きたいという願いは確かだそうなので、その理由は過去の記憶を辿って確認していくことになりました…
こんな感じで少しずつジョニーの過去を遡っていきながら、過去の記憶のアクセスポイントと月に行きたい理由を探していくゲームとなります。
ジョニーの記憶を辿る道中には…
こんな記憶だったり…
ちょっと自分の記憶も遡っちゃったり…
お馬さんに乗って軽快(?)にパカれたり…ゾンビに襲われたり…(※ホラーゲームでは…略)
とまあ、この手のお話がそんなトントン拍子で簡単に物語が進むわけがなく、2人は死にゆくジョニーを月に連れていくことができるのだろうか!?
…そんな感じの物語の流れになります。
次からは恒例の悪かった点から…
悪い点①:他のDLゲームと比較するとコスパが悪い
この記事を書いている時点の情報で、~11/30までニンテンドーオンラインセールにて30%offにて、ダウンロード通常価格1,200円→840円とセール対象とされています。
私は、残念ながらセール対象外の通常価格で購入、セール対象外の時期にクリアしちゃったわけですが、クリアした者の感想としては…
「セール価格だったとしても、ちょっとコスパ悪い!」
という印象ですね。
私が、この手のダウンロードのアドベンチャーゲームの感想を書く際、「小説一冊分買ったとして考えたら…」というのをよく書いてるケースがありますが、ゲームシステムが悪かった&ボリューム不足的にコスパが合ってないかな…という印象です。
比較対象として、マヨナカ・ガランや返校を挙げた場合、ジャンル(和製伝奇ホラー・文学的台湾ホラー)は違えど、価格に対してそれに見合う+αがあったりするので、例えコチラにパズルゲーム性があったとしても、ゲーム性が弱いがフルボイスのマヨナカ、ゲーム性があり結構なホラー色が強い返校の方が買って良かったという満足感&コスパが良かったと感じましたね…(※セール価格比較ね)
悪い点②:唐突でイキナリなボケネタをかましてくる(主にニックや子供達)
波動拳とか要らないし、RPG詐欺も要らない…
てか、ゾンビネタもアレいるか?
なんでしょうね、過去のDLゲームでも同人っぽいノリで唐突にボケを入れてくるキャラはいました…(↓記事の緑の着物な人とか特に)
あの娘はとある事情を持った重要キャラなので仕方がないのですが、その代わりにソレを挽回できるお話をたくさん持っていたので許されると思います。
でもなあ、ニックは後述がチョコッとあるにしても、他のキャラも含めダラケ感が強かったですね…
そういう意味で物語進行のテンポ悪さを多少感じました。
悪い点③:調べる等の反応が悪い
一番顕著だったのが、屋敷に到着後すぐにジョニーが何故月に行きたいのか屋敷内を探しに行く際、使用人の子供たちに協力を仰ぐことになりますが、この子供達を調べる時に「調べるコマンドの対象」が、ピアノと子供達との選択範囲(対象範囲?)がガバガバすぎて、子供に話しかけたいのにピアノを調べてしまうという事象で中々話が進まず、大変イライラしました…
子供達に話しかけるのに必要なアイテムでもいるのかと、一人で屋敷を探し回りましたね…
他にも、ジョニー周りを調べる際などイマイチ反応が良くない印象アリ。
悪い点④:各システムの説明不足+違和感
恐らくですが、一番最初のパズル要素で、どうすればいいのかわからない可能性があります。
私も「ん?」という感じで、画面を流れるパルスに合わせて目押しでボタンを押してました…
あと、最初にジョニー宅を調べる際、
「どちらを操作キャラ(主人公)にしますか?」 という感じかなと思っていたのですが、2週目を途中まで進めた感じ…「コレって意味あったのかな?」という何とも言えない違和感がありました。
う~ん、細かい所かもしれませんが何とも…
では、次から良い点に行ってみましょう!
良い点①:泣けるストーリーとしての秀逸さ!
前述の物語の流れのように、死を直前に迎えたクライアントの願いを叶える為に奮闘するお話です。
また、死を前提に据えた記憶を回顧していくお話でもあるので、この手のテーマであれば必然的に感動ものに繋がりやすい…そんな気がしてきます。
さらに、本人が「何故か月に行きたいという願いを持っている」という謎を追う感じも良い雰囲気を持ってますね!
各場景を見て行っても…
幸せな場面もあれば…
腹が立ったシーンもありましたし…
そして心にジーンとくるシーンも確かにありました…
「ん? さっきから小学生みたいなことしか言ってないって?」
それはですねぇ~、
「ネタバレになるからに決まってるからですよ!」
ネタバレ関連については、↑のマヨナカ・ガランか、↓記事を参照ください、とっても叫んでいます!
先に述べた通り、ゲームとしてはコスパの悪い作品だと思います。
でも、この記事を書くに当たり、ゲーム中に取ってたスクショを見ながら、物語を思い出しながら…泣きそう…
スクショで足りなかったものがあったので、Switch起動→To the Moon起動→
ピアノ調OP「テケテケテケテケテケテケテ♪」
もう泣きかけたよ…
そうですね、例えるなら「人を優しい気持ちにさせてくれる」そんなゲームです。
良い点②:ちょっと空気の読めないワッツが実は良いヤツだった件
悪い点②でも書いた通り、ゲーム中の所々で場違いなボケネタ(仕事ほっぽり出して帰ろう等)をして物語のテンポを悪くするワッツですが、物語を進めていくと、本社に電話かけたり、ロザリーンと対立したりと…色々と彼の良い面のキャラが出てきます。
そういったところで、少しは許してあげたいキャラですね…
良い点③:親友ニコラスもマジで良いヤツな件
もうね、ジョニーの親友:ニコラスは本当に良い人です。
その奥さん:イザベルも、深いお話をしてたりするのですが、このご夫婦にジョニー夫妻は見守られていますね…
てか、基本的にここに出てくるキャラクターは皆、温かい人たちです…
良い点④:障がいについて、エピソードを思い出した…
このゲームを進める上で、「障がい」について触れていくことになります。
この「障がい」について、私の中でふと思う(思い出した)事がありました。
何年か前の話になりますが、親戚とそのお子さんが、たまたま我が家に訪問された日の事。
小学校中学年と低学年の男の子の相手(子守)をしていたのですが、低学年の子はそれこそ元気いっぱいにで動き回り(暴れ回り?)、なかなかに体力がいりました。
一方の小学校中学年の子は、弟と違って一見穏やかにしているのですが、ふと弟が疲れて(多少)静まった際にボソリと…
「なあ、おじちゃん。○○Xってしたことある?」
・・・え?w
いや、そりゃまあ嫁もいるわけなので…
まあ、適当に流していたのですが、それでも何回も尋ねてくるわけで…
どう返事を返したか覚えてませんが、「あれはそう、例えるなら…(以下略)」みたいに説明する事はモチロンなく…
最近の子はマセタ子が多いのかなぁと思っていたのですが、親戚ご家族が帰っていくと、
「あの子ら変わった子やったやろ? あの子たち、実は障がいがあって…」
という母の話で状況を理解しました。
見た目ではわからないのですが、そういうタイプの方もいるようですね。
また、この話は後日譚があり、私の家系は分家筋、当の親戚は本家筋になるのですが、
「あの子たちが次の本家筋になるから、あんたらの代は良いようにできるなぁ」
というブラックな会話がなされたとか、どうとか…
う~ん、そういう問題なのか…という不信感を抱いた事を思い出した作品でもあります。(※メチャクチャ私的事由)
脱線したついでにもう二つ脱線します。
まず、今から約20年前の初めての海外旅行先:韓国に行った際の話ですが、障がい者の方が首都ソウルの明洞(っぽいが別の通りだったか?)という有名な繁華街で働いているのを見ました。
その方は下半身がなかった方で、ベニヤ板でできた台車みたいなのに乗って歩道を移動し、道路に吐き捨てられたガムをスクレパーで剥がす仕事をされていました…(イメージするなら、漫画トライガン:ロストジュライ前のホッパード・ザ・ガントレット)
あまりにもその光景が、その当時の自分の知見とかけ離れすぎて、そして日本ではありえないと感じ過ぎて唯々唖然とするとともに、見てはいけないものだと思い、目を背けてしまった事を覚えています。
あの光景は本当に衝撃過ぎて…
その方を当然のことのように無言で通り過ぎる現地の人達にもビックリしました。
今はどうなのかわかりませんが、「日本では障がいの方にそんな仕事させない」と思ったことは確かです。
しかし、その後に日本で障がい者施設を訪れる機会があったのですが、外からでは何の施設かわからない建物の中に入ってみると…障がい施設のリアルを見る・施設長との話をする…そういった経緯からで、日本は当人たちを公で働いてもらうのではなく隠しているのだなと感じた、そんな機会もありました…
記憶を呼び出すとともに、どちらが正解なのか?
…というのは何とも言えない気分になりますが、一つ言えることは、リアルを見ると、今まで気づいていなかった事が、実は近くにあるのかもしれません…
この手の話はどうも中々に難しい話ではあるのですが、このゲームに触れる→過去に見た&感じた経験を思い出すことになるとは思ってもいませんでした…
てか、この話はそんな機会がないとそうはならないと思うので、あくまでも個人の経験として受け流していただければ…
あ、ちなみに前述の話とこのゲームの症状は全然違います。
ゲーム中に出てくる医学書の著者の先生は実在の方のようで、wikiか何かで調べてもらえると病名が何なのかわかるかと…
まとめ:
物語は感動モノです。
ただし、ゲーム性や価格(特に通常価格)については、あんまりコスパが良いかと言うと考えモノ…
多分これ、サウンドノベルとかでゲーム化した方が良かったのかもしれませんね…
「もう感動モノとかいらん!」&「ゲーム性が低いのはヤダ!」という方には、正直に言ってお勧めできません!
しかし、登場キャラみんなが心優しいキャラクターであり、ゲームクリア後にはきっと「温かい気持ち」で終われるのではないかなと、胸を張って言える作品ですね!
追伸:
コメント