というわけで、今回の記事はスクエニ(※後述)のRPG:いけにえと雪のセツナの記事です!
なお、今回のプラットフォームはSteamとなり、Steam版で購入される方はゲーム名が異なるので注意されたし!
では、そんなSteam版の商品名とは…
I am Setsuna
…日本のイカしたネーミングに対して英語表記はそれで良いのか?
と、ふと思ってしまい過ぎるゲーム名ですねw
今作は各種プラットフォームで販売されており、最初期は2016年2月にPSVitaとPS4、遅れて7月にSteam版、2017年にSwitchのローンチタイトルとなった作品です。
…Switchのスクエニ作品ローンチタイトルがこの作品…(ゴクリ♪)
ある意味攻めてる感のある布陣ですねw
どのプラットフォームにしようか迷われた際は良い点①を参考にご検討頂いても良いかも?
ただ、PSVita版はバグ報告が多いようなので注意されたし…(たぶんいないと思われるが…)
では開発会社を調べていくと…
開発元:Tokyo RPG Factory、販売元:スクウェア・エニックスとなります。
なお、Tokyo RPG Factoryさんは2015年にスクエニの子会社として設立されたようですが、2024年に親会社のスクエニに吸収合併されたとの事…
この開発会社さんと言えば、当ブログで独自概念思想で一世風靡した鬼ノ哭ク邦を作った開発さんですね!
その辺も鑑みて、今回も新たな概念を展開していったのか評価していきましょう!
では今回のお品書き!
ゲーム紹介:あらすじ
なお、今作のあらすじは画像少なめで紹介しています。
理由はまぁ…色々ですw
物語冒頭、主人公であり傭兵を生業とする仮面の一族:エンドが魔物に攫われた少女を救出する依頼を受ける所から始まる。
雪山を駆けるエンドだが、木陰からなにやら気配を感じる。
そこに現れたのは、同じ仮面の一族で老齢の傭兵:キトだった。
平たく言うと、彼はチュートリアルのナビゲーターといった感じですねw
そうこうしてチュートリアル戦闘が続き、依頼は難なく完遂することができました。
少女はキトが依頼者の元へ連れていく事になり、少々二人で立ち話をした後、キトとエンド別れます。
暫くその場に一人残ったエンドですが、背後から人の気配を察知します。
身構えながら振り返ると、そこには熟年の男が立っている。
「殺気をお鎮めください。敵ではありません。」
男はかなりの使い手だと感じたが、敵意はない…
「我が主の為、エンド様にひとつ、依頼をお願いしたい…」
男は続ける。
「本島(ゲームの舞台)からわずかに離れた小島に存在する小さな村…」
「そこに今年18歳になる一人の少女がおります。」
一呼吸し、男は告げる。
「エンド様への依頼、それは…」
こうして、エンドは雪山を下りて島へと向かう船に乗りこむ。
向かう先は、始まりの村:モル。
別名:いけにえの村
主人公:エンドはターゲットを殺しに向かう!
村に到着し、ターゲットである少女の居場所を探すエンド。
しかし、たまたまターゲットは村から出ており、少し離れた森を抜けた先にある【名残雪の石碑】に祈りを捧げに向かったという情報を掴む。
人目のつかない場所にターゲットがいる…
エンドにとっては好都合!
エンドは森を抜け、ターゲットの元へ向かう。
森を抜けた先には海岸沿いの崖となっており、その先端には【名残雪の石碑】が建っている。
それは歴代のいけにえ達の名が刻まれた石碑なのだとか…
その石碑の前で祈りを捧げている少女を発見するエンド。
エンドはその後ろに立ち、剣を抜く。
訪問者に気づいた少女は仮面を被った暗殺者にこう語り掛けます。
「私は…いけにえ。」
「この石碑に刻まれた、かつてのいけにえと同じく…」
「それゆえ今、この命をあなたに差し上げることはできません。」
「旅の終わり…それが私の命の終わり。」
そうこうして、エンド(プレイヤー)の選択肢が表示されます…
物語のあらすじはココまでで終わっておきます。
気になった方、この続きはゲームをプレイしてみましょう。
でも…コレだけは書いときます。
「貴方は彼女の旅の結末を見届けることが出来ますか?」
では恒例の悪い点からいってみよう!
悪い点:6点
悪い点①:最初は戸惑うRPG!
古き良きRPGの回復手段と言えば…
「宿屋さん!」
なんですが、このゲームに宿屋は存在しませんw
「じゃあ、回復の泉や教会とか?」
そんなものはございません!w
という訳で、今作の回復手段はレベルアップにより回復 or テントを張るか回復アイテムを使う
以上となりますw
しかも旅の道中に町や村が少ない為、アイテムなどを販売している行商人たちに会える機会も少ない。
特に物語中盤からダンジョンからのダンジョンと物語途中で町を挟まず補給なしで進行するので注意!
攻略的には各種消耗品アイテム(特にテントやエーテル、アテナの水等)は余裕を持って買い足しておこう!
劇中で宿屋を潰したとか話がありますが、この世界では食堂しかないのだ!w
悪い点②:アイテム取得の面倒くささ!
今作では、法石(魔法)を入手するためにモンスターから素材を手に入れる必要があります。
素材は、どのようにトドメを刺したかでドロップが変わるというシステムを採用しています。
1匹のモンスターで12個以上のドロップアイテムがあります。
これがもう面倒w
逆にドロップ率は悪くないので素材がなかなか揃わない場合、トドメの刺し方が合ってない可能性があります。
とはいえ、同じモンスター種族であればドロップする素材はある程度共通しているので、パーティー選別を換えながら物語を進行していればいつかは集まってたりすることもチラホラ?
それでも集まらなかった素材は倒し方を工夫しないとずっと出ないので、そこが厄介…
あと、フィールドなどで光っている採集アイテムのコンプリートも大変です。
落ちてる箇所は固定のようですがランダム要素があるのか、なかなかコンプリートしない…
まあでも、コンプ勢でなければこの辺はそんなに気にしないでもよいのではなかろうか?w
悪い点③:一部盛り上がりに欠けたイベント
コレは万人受けしそうなイベントだったのですが、その試練がアレでした…
それだけっちゃあそれだけなのですが、なんか勿体なかったという印象が強いw
悪い点④:かなり悔やまれること(わがまま)
今作の主人公と仲間達、一応にボイスが付いてます。
え~、毎度記事書いてる時に調べてビックリする回ですねw
セツナがエーデルガルト陛下だったり、あんなに特徴的なフレデリカの声優さんがクオンだったり…
ヨミのオッサンが…
カガリ「お父様~っ!」
ジュリエッタ「ラスタル様~!」
てかね、この面々なら戦闘シーンだけじゃなくてメインイベントだけでも声入れてほしかった!
そりゃFFⅩみたいに長編モノで声入れるのは予算の兼ね合いもあるのだろうけど…
※完全なわがまま評価ですw
悪い点⑤:一番欲しい機能がない!
この作品、一番の推しは良い点②にもあるようにBGMです。
他の作品によくあるクリア特典で、ギャラリーモードでBGMを流せますとかありますよね?
それが今作ないのです…
非常に惜しい気持ちになりますね。
まあ、そんな貴方に朗報な良い点②もご確認あれw
(宣伝すなw)
悪い点⑥:評価がとても大きく分かれる作品!
コレは本当にそう思います。
そんなわけで、思ったことを書いていきますが…
評論家でもない一般人ですが、こんな感じかなと偏見で分析してみたw
①②のパターンは正直、どうしようもないです。
④については、プレイヤーの感性がピアノ曲や雪の神秘的な情景など作品の雰囲気に合っていて好きなパターンでしょうね。
なお、私も④のパターンの人でもあります。
③については本当に悔やまれる所で、ゲームの流れだけでクリアまで行ってしまうと、このパターンに陥りやすいです。
これは物語の劇中で多くを語っていないから…
悪く言うなら、明らかに説明不足な作品だったからだと感じています。
正直、私も…
「え、なんで貴方と戦わなければならないの?」
「待って、なぜあの子はその選択をしなければいけないの?」
敢えて悪く書きますが、シナリオ作家が安直に…
「とりあえず、こんな流れならプレイヤーは泣くだろ?」
という意図で物語の流れを組んでいるような気になっても仕方がない。
それだけ説明不足感が強く感じます。
残る⑤について、先程の③のパターンでシナリオ作家の術中にハマった人…
まあ、そういうパターンもあるでしょうが…
でも、この⑤のパターンの人は、かなりこの作品が貴方の感性に合致している可能性が高いです。
というのも、③のお涙頂戴モノに感じながらも…
何故だかわからないけど、なんか泣けてくる…
そんな感性の方は、おそらく貴方の心が何かを感じ取っているからです。
その何かが、この作品の悪い点となる説明不足の所なのではないかと思っています。
私は④の人であり、⑤の人でもあります。
「何故、どうして?」
そう呟きながら泣いてました…
そんな⑤の人は、是非【あの選択肢】を全て選んで、遊んで…
泣いてください…
そして…
考察というか妄想とでも言うべきか?w
頭や心で感じてみてください。
その考察(妄想?)の旅のお供に、いけにえと雪のセツナのサントラを聴きながら旅をすることを激しくオススメします!(なお私の旅の結末は、まとめ以降に載せておきます)
ではそんな感じで次は良い点へ!(あれ、前述に良い点はいってなかったか?w)
良い点:14点
良い点①:セール利用でお得にプレイ!
今回私はSteam版をプレイしました!
Steamは通常価格:4,888円ですが、私が購入したのはサマーセール中だったので-70%OFF:1,466円で購入!
また、Switchのパッケージ版&DL版の場合、通常価格:5,280円となり、過去のセール価格で70%OFF:1,584円といったところ。
なお、この作品は中古で購入する場合、ネット調べでSwitch版では未だ半額切らずな作品のようです。
もしも中古最安値で購入されたい方は、PS4持ってたら断然ソッチの方が安いという…
※私はPSユーザーでないのであまりPS価格書きませんが、本気で安くてビビったw
なお、クリア時点のプレイ時間は24時間程。
その後、隠し要素を探して遊んでみましたが、基本的に素材や法石コンプリートとか未回収の各キャラサブイベント回収くらいかな?
そう考えると、フルプライスのRPGとしてはプレイ時間はかなり短く、断然セール価格でプレイした方がプレイヤーの評価に関わてくるかと感じました。
この辺は鬼ノ哭ク邦と同じ感じがしますね…
ただ、コレだけは言いたい!
安かろう・悪かろうという作品ではなく、良い作品なんですよ!(悪い点⑥参照)
良い点②:ピアノ組曲<いけにえと雪のセツナ>
物語としては良い点⑬の様に暗い物語でありながら、舞台である島はずっと雪が降り続ける。
深雪を踏みしめて進む、彼といけにえと護衛団…
そんな世界に流れるは静かなピアノの旋律
この作品の凄いところであり、一番の推しは常にピアノ楽曲によるBGMが流れている所!
本当にピアノ曲が常に流れています!
↑やんわり戦闘紹介動画
ある人は言う、
「ずっとピアノが流れているだけでつまらない!」
私は言う、
「この雪の神秘性とピアノによる組曲<いけにえと雪のセツナ>…素晴らしかった!」
ここら辺は感性の問題(悪い点⑥)ですので、合う合わないは顕著に出ます。
でもね、合う人に対して私はこう言いたい…
Amazonデジタルミュージックでアレンジ版のサントラ売ってますので、どうぞ!w
良い点③:古き良きRPG!
というわけで、今作はスクウェア作品のインスパイア作品だったりするそうで、
戦闘スタイルはクロノ・トリガーのインスパイアとの事!
( ゚Д゚)「との事?」
と思われる方…その通りです!
私、クロノ・トリガーやってません!w
そんなわけで、私的にはFFシリーズ由来の魔法名、そしてFFⅣ・Ⅴ・ⅥのアクティブタイムバトルなどのFF由来なのが懐かしかった!w
更にそれだけではなく、各種スクウェア作品のインスパイアも見受けられ…
FFTのラムザのスキル:叫ぶや、エッジが投げそうな最強アイテムがあるしw
物語なんてモロにFFⅩのユウナを彷彿させ、ましてやアーロンポジションキャラがいるし…
(ただし、断じて同じではありませんのでご安心を!)
そういう意味で私的には懐かしかったかなw
※FFシリーズは約20年前にプレイしたFFⅩがラスト作品となっております
その他にも、
FFⅣのような隠れ開発室があったり、開発者達のゲーム上でのお遊びが垣間見れるのも懐かしくもあり良かったですね!
良い点④:良い子という言葉だけでは済ませれないセツナさん
ゲームの題名にもなってますが、セツナさんがすごい!!
とにかく超前向きというか、未来志向型の献身系ヒロイン!
その癖、突発時でも献身を貫く聖女様!w
過去に行われた旅のセオリーを悉く無視してくるw
前向きすぎて、逆に死にたがってない? とも捉えかねないw
こんなキャラ、実際に絶対いないだろ!
嫌われそうな感もありますが…
刹那に魅せる、切ないセツナさんに涙せよ!
良い点⑤:護衛団の中心人物クオン
セツナがいけにえに決まった時、真っ先に護衛団入りに名乗りを上げた少女。
その強さは折り紙付きで、双剣の使い手であり強力な魔力も持ち合せる!
また、いけにえの旅の道先案内人としての知識も心強い存在!
彼女の使命感はとても強く、誰よりもセツナを守る覚悟あり!
それは同時に…
絶対にこの旅を成功させる!
その硬い信念はセツナと護衛団を導く!
良い点⑥:それは想定していなかったよ、オッサン…
元いけにえ護衛団の熟練剣士:ヨミ
過去にいけにえの旅を成功させた英雄で、旅から帰還後は修行先の村に滞在し続けている。
英雄として自衛団の団員から慕われているが、本人は何故かそれを嫌がっている…
色々あってセツナの護衛団に加入することになりますが…
基本的に護衛団でのコノ人の扱いは…
いじられオッサンキャラw
特にキール君との掛け合いは大体いじられて終わりますw
そんな一見、頼りにならなそうなオッサンなのですが…
コノ人で泣かされるとは思わなかった…
そのくらい良いエピソードをたくさん持つオッサンです。
正直言うと、私の中ではエンド&セツナは当然ながら、クオンよりも泣いた良キャラだったりします…
マジでこのオッサン良い!( ノД`)シクシク…
良い点⑦:キール少年の人生観
他のFF作品で言うところの黒魔導士的少年のキール君!
そんな強力な攻撃魔法で敵を打ち倒していくのですが、この作品のテーマの一つに魔力があり…
深くは書けないのですが、魔力と人生についてこんな年端もいかない少年が語る人生観も良かったです。
ただ、キール君はどちらかというと泣かしに来るキャラではなく、暗くて重い印象を与える物語の中和役といった感じで少年らしさをふるまうキャラですね。
王道物語RPG:アリアクロニクルの書記官:ジェロム的な感じを受けましたが、もちろん彼の様にメタ発言とかしないのでソコは安心してくださいw
良い点⑧:葛藤のジュリオンと王の資質
今作の大人女性枠?な王族の末裔:ジュリオンさんなのですが、この方の見せ場と言えば、
王とはかくあるべし!
そんな問答が印象的でしたね。
あと、この人なんやかんやで不遇キャラでして…(まあ、あの人よりか…)
水属性キャラなのですが雑魚的に水耐性持ちが多く、属性的に不利な立ち位置という印象w
ただし、この物語には切っても切れない方なので、登場時点でプレイヤーとしては驚くこと間違いなし!
あと、ビジュアル的に病んだ女騎士感が…良いw
なお、彼女のプロフィールを見るとちょっと吹きますので是非ご確認あれw
※個人的にプロフィールのジュリオンのお姿が人形感があって可愛かったりします。
良い点⑨:ボスが強敵!
私的にはスクエニ作品だから、ボスなんて適当にやってたらなんとかなるだろう?
そんなノリでプレイしてたのですが、中盤以降…
コイツ、メチャクチャ強かったw
物語上でもかなりの強敵だという流れだったのですが、マジで強い!w
暴れっぷりが凄まじく、コイツ倒すのにメンバー変えたり作戦立てたりと久方ぶりのデスゲームを感じましたw
しっかり対策していけばきっとなんとかなるので…
ヨミのオッサン出番だ!w
更にそんな強敵を倒して進んでいくと…
またもや巨大ボス出現!
しかも、どうみても羊さんなんだが!?w
この作品の敵は何故かメルヘンな造形していますが、マジグロよか良いので、まあいいでしょうw
そんな感じで1戦目は敵の行動把握、2戦目から対策立てて撃破していく感じかな?
私の体感ですが、中盤以降のボス戦で特にヨミのオッサンの使い方が明確となっていくかと思います。
このオッサン、特にボス戦で輝きます!w
良い点⑩:物語の振り返り
これは鬼ノ哭ク邦でもそうでしたが、物語の振り返り(あらすじ)やメイン・サブキャラや武器の解説などの解説文が読めます。
この辺もTokyo RPG Factoryさんの十八番だったりするんでしょうね…
良い点⑪:挿入歌もあるよ!
物語のあるシーンで聞ける子供たちのわらべ歌
この歌がいけにえの旅を大きく助けることになりますが…
ちなみに歌い手はコトリンゴさん!
私がこの方を知ったのは、劇場アニメ:この世界の片隅に!
この映画で挿入歌やエンディング曲を歌われてたのですが…
トントントンカラリンの隣組~♪
フフ、あの作品も大変良かったですね!
そんな静かで穏やかなわらべ歌、その後も大変良い演出がありますので乞うご期待!
良い点⑫:各キャラ毎のサブイベント!
物語の最終盤に各キャラ毎のサブイベントが用意されています。
イベントクリアでキャラ専用の法石をGetできますし、エピソードはキャラの掘り下げに一役買ってます。
特に私が推したいサブイベントは…
ヒロイン:セツナのサブイベント
深くは書きませんが、このイベントは是非やっておくとその後の物語でオッサンじゃなくても泣けると思います。
ちなみに、私はこのイベント前にクリアしてしまったのですが…
オッサンなので泣きましたw
他のオススメと言えば、主人公:エンドのサブイベントです。
ただし、このイベントはかなり考察のいるイベントとなっており…
この人の考察するのが楽しくなります。
私の考察(ほぼ妄想)は…お暇な時にでも読んであげてください…(※ネタバレメガ盛り注意!)
本当言うと、シナリオ作家さんがゲーム上でしっかり残してくれてる方が有難い(悪い点⑥)のですが…
敢えて補足しないで、プレイヤーの解釈に任す的な遊び心というのも考察(妄想?)する楽しみがなくもない。
結局、人によるということか?
(ただし、説明しなさすぎて作品の評価を落とす原因となったと思われる)
良い点⑬:ゲーム世界観と概念
後の作品:鬼ノ哭ク邦と同様に、いけにえとして命を差し出すことは当然という世界観(概念)が随所に出ています。
「やはり鬼ノ哭ク邦を作った開発会社だな…」
と、まさにそう思えた。
いけにえとして決まったから…最愛の妻と娘をそっと見送る父など、物語序盤からリアルとの概念差から違和感を感じざるを得ない。
とはいえ、鬼ノ哭ク邦の積極的輪廻転生観にくらべればまだ受け入れやすい部類なので、概念のショックというか、あの感じがそこまであったかというと…ないw
ココの作品の中では、まだあのショックが浅い方ではある…(だって処女作だし)
そんなわけで魔物の脅威を払い、島の平和を保つには【いけにえの儀式】は必要!
そんな10年に1度のいけにえの儀式ですが、近年は魔物の脅威が迫る頻度が早くなり…
いけにえの儀式の周期が短くなっている!
そんなわけで…
いけにえ=犠牲
いけにえ本人が語っているように、これはきれいごとでは片付かない問題。
そして、いけにえの旅に出たならば、その成功を納める為の鉄則もあり、
護衛団はいけにえを守る為、命を賭していけにえを守り通し、時には囮として捨て石になってでも守り切るのが鉄則!
そんな護衛団よりも、間違いなく命が潰えるのはいけにえです!
死ぬことが決まっている彼女と彼女を守るために命を賭ける護衛団、そして…
彼女を殺す依頼を受けた彼との儚い信念の物語
…好きです…
なお、良い点②(ピアノBGM)と合わせて、どんなゲームの世界観か公式さんでトレーラームービー流してますのでご確認ください。
良い点⑭:セツナとエンド
もちろん主人公とヒロインの関係が悪かったら物語的には盛り上がらないですよね!
とはいえ、今作は…
主人公がヒロインを暗殺しに来たわけなので出会いは最悪なわけですがw
そんな感じで、基本的に献身的ヒロインと彼女を殺すのが仕事な主人公という関係性なのですが…
物語で出会った人たちとの交流なり、セツナの旅に同行する内に主人公:エンドの心情も少しずつ変わっていきます。
なんでしょう、物語が進むとエンドの選択肢が徐々にこう…
そういう所もすごく良い作品!
なお、やろうと思えば本来のエンドさんの選択肢は残っているのでドSプレイも可能なのがまた…
※たぶん、そんなドSエンドを誰も望まないだろうが…
え、そんなエンドさんが見たいのかい?w
では、まとめ行ってみよう!
まとめ&今回の関連記事とオススメ
まとめ:
一言で言えば、スクウェア作品を色々インスパイアした作品です!
なお、私は今作で最もインスパイアされている作品:クロノ・トリガーをしてませんw
この作品は各種様々な評価がされています。
他の方の感想を見ていると、体感的に多くは悪い評価が目立っているように感じます。
良くても、BGMとか雰囲気に全振りした作品とも揶揄されています…
どの感想・評価もそうですが、実際にプレイして感じた事が全てだと思います。
これだけは言えることですが…
この作品は感性が全てな作品だと感じています。
それ次第でどうにでも評価が変わる作品の典型例かとも思ってます。
だから私も、万人向け作品とは到底思っていません。
でも、もし…
もし、少しでも興味を持った方がいれば…
とりあえず、プレイしてもらうしかありません…
その上で、「この作品はダメだ!」と思うのは仕方がない。
でも、もし…
私と同じようにセツナ達の旅で、何故かたくさん泣いてしまった方が…もしいるなら…
この世界のそれぞれ離れた場所からになりますが、一緒に泣きましょう…
そんな作品です。
では以降に悪い点⑥で書いたパターン⑥の私とセツナ達の旅の記録を残します。
ネタバレしまくってるので、クリアしてから見てね!w
考察:ラストバトル前の例の件 ※ネタバレ大!
※注意:ラストバトル前の重要イベントに触れてます。
クリア前に読むと本作の大部分の面白さが失われますので注意!
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私もヨミ同様に、一緒に戦う or クオンをパワーアップ どっちかしてくれよ!
とは思いましたw
では、時の審判者と何故戦うことになるのか?
コレは彼女のいわば保険みたいなものだったと思います。
少なくとも、彼女に勝てないようでは彼に勝てない!
では、どんな保険だったのか?
- もし彼女に負けるようなら、最悪セツナだけは生かし、いけにえの儀式を実行させてから時を巻き戻せばよい!(ただし、今回の旅ですら彼がココまでしてきたので次回は今回よりも更に厳しい旅となる可能性大!)
- 仮に彼女が加わっても、彼に負けてしまえば巻き戻しも出来ず、封印が解かれて世界が崩壊!
→ならば本気で戦って、彼女が納得できる力をセツナ達が持っているなら彼の元へ送り出そう!
そんな理由で最悪の保険(本当に最低限の保険だが)を掛けられると判断したのかもしれません。
また、彼女はいつでも封印できる体制のままその場で待機し、クオンを通してセツナ達が負けそうになったら時を巻き戻す…
コレが一番無難な作戦なのですが、
- 彼と戦いだすと封印が解かれて再封印できない
- 時を巻き戻すには彼女の魔力=魂=命が足りず、セツナにいけにえの儀式を実行してもらわないと魔力不足で時を戻せない!
彼女としては本当に苦渋の決断だったのではないか?
あと、もう1つ。
彼女はもう…
- この場に留まり続けて封印を続ける事(既に1000年以上経過)
- 封印の為におそらく数百のいけにえを犠牲にしてきた事(心の限界)
そんな1000年の呪縛から解き放たれたかったというのも忘れてはいけないところですね…
感想+考察:セツナとエンド ※要クリア&ネタバレ特大!
※注意:エンディング直前の重要イベントに触れてます。
クリア前に読むと本作の全てが失われますので注意!
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たぶん、あの場面…
感情移入型プレイヤー(私含む)の場合、多くの人は泣きながら迷ってたと思います。
私もそうです…
なお、今コレを書いてるこの時も、あのシーン思い出しただけで涙がにじんでます…
逆にそんなに感情移入できなかったプレイヤーはおそらく…
「え、どういうこと? おま、なんでそこで剣抜くんだよ!」
と、なっていても仕方がないのかもしれないw
以下、あくまでも私の感想と拙い考察です。
まず、私が最初にこのシーンへ来た時に選んだのは【剣を振らない】でした。
きっと2人生き延びて、未来でみんなに出会えるように…
そう思って選択しました。
結果はご存じの通り…
このシーンで一番シックリくる選択は、悲しいけども【剣を振る】です。
この選択を行うと夕日を背景に
「ありがとう……」
そして剣が空を斬る音が聞こえて…
…すいません、書いてて泣いてました…
では、あのシーンで何故セツナは私の肉体を滅ぼしてほしいとエンドに頼んだのか?
ココから考察なのですが…
あのシーン、過去何百人のいけにえが必要となった原因でもある彼を倒したからそれで終わりだと思われるでしょう。
でも、よくよく考えてみると…
ラストバトルに勝利し、彼は消滅したかのように見えました…
その後、エンドたちが会話を続けている最中に突然魂(魔力?)が復活し、時空法石なしで自力で過去に飛んでいます。
彼は法石なしで自力で過去に飛べるのに対し、セツナとエンドは魔力の痕跡とクオンたちの助力(膨大な魔力)がなければ時空を超えれません。
つまり、彼がもう一度時空を超えてしまったなら…彼らにはもう、彼を追う術がない。
そして物語でも語られていましたが、彼は旧王家時代に人類の為に魔力を増幅させる実験の被検体に名乗りを上げ、そして悲しい結末として本編の世界に向かいました。
彼は魔力を増幅させる実験の影響で、彼の魔力(魂?)は彼の意思とは無関係に魔力を増幅させてしまうのでしょう。
エンドたちが会話中に突然魔力=魂が復活して過去に飛んだのは、おそらくこの強制力が働いて時間経過により(魔力=魂?)が復活したと解釈します。
過去に飛んだエンドはそんな彼と最後の対峙をしますが…
彼、クソ弱かったと感じましたよね?w
消化試合の様に感じましたが、セツナの発言や戦闘中の彼の発言により
彼(人間だった頃の彼の思念)はなんとか自身の強制力と戦っていたのだと思います。(ただ苦悩してるだけかもしれんがw)
だから弱かった…
ましてや、彼はエンドに頼みます。
「ボクヲ…止メテ…」
彼の奮闘もあり、エンドは一撃で彼を倒します。
その後、すぐに彼に駆け寄るセツナは、彼の魔力=魂を吸収します。
そして、セツナはエンドに自分を殺すよう頼みます…
この辺の考察としては多分、こういう事が言いたかったのだと思います。
今この瞬間、いけにえの魔力で封印できている間に私ごと彼を消滅させてあげて…
時の審判者と同様に、彼も1000年もの呪縛で苦しんでいます。
もし、その解釈だったとして…
もう一度、貴方に問います…
↑本当はラストシーンの画像でやりたかったのですが、色々問題ありそうなので初対面時の画像で…(日和やがったw)
そうだったからこそ…
「ありがとう……」
あの感謝の言葉は、セツナと彼の意を汲んでくれたエンドとプレイヤーに対しての言葉だったのかもしれませんね…
この解釈でもう一度になりますが、私の初めての選択は【剣を振らない】でした。
そうです、この解釈から考えると…
私とエンドは逃げました…
だって、そんなのとてもじゃないけど出来ないじゃないですか…
この辺はクリアしたプレイヤーにどちらを選んだか聞きたいところでもあります…
この選択の後に何が起きたかは、本当に想像でしかありません…
エンドはセツナを殺さず(殺せず)に、その場を立ち去ります。
残されたセツナは世界の結末を自身で救わなければなりません。
伝統のいけにえの武器で自害したか、ラストシーンは崖でもあったので投身自殺を図ったか…
はっきり言います。
私とエンドの選択は残酷だったと思います…
こうして、エンドは自身の持つ依頼を完遂するという矜持を全うできませんでした。
元々、ロッカスの依頼であった【いけにえ暗殺】はそもそも反故になっています。
ココで言う依頼とは、セツナの願いでもある【私の最後を見届ける】こと。
本当に最後のシーンの話です。
どの選択であったとしても、エンドの仮面の下は多分涙でグシャグシャだったのではないでしょうか?
いろんな感情がエンドの心をかき乱します…
でも、歩みは止めません…
そして一本の木の下で立ち止まり、セツナが救ってくれた世界を眺めます…
彼は泣くのを止めて、再び歩き始めます…
彼がその場を去った後、セツナの魂が舞い降りて、去り行くエンドを見送ります。
本当であれば消滅しているのでしょうけど、そこは多分…
せめて最後のお別れだけでも…と、彼がセツナに協力してくれたと解釈しましょう…
剣を振っていたなら、セツナはきっと「ありがとう」という気持ちで見送ったのか?
剣を振らなかったなら、セツナはきっと「苦しめてごめんね」という気持ちで見送ったのか?
そこはもう、各プレイヤーの解釈次第だと思います。
ただね、やっぱり…
書いてて泣いてます…
そんな感じの、私の大好きな作品です…
追伸の考察(妄想小話):始まりのキト ※ネタバレメガ盛
※注意:物語とか伏線の一切合切に触れてます。
クリア前に読むと色んなもの?が失われますので注意!
あと、かなりの妄想回となりますので、生暖かい目で読んでくださいw
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あくまで私の考察(妄想話)ですのでご容赦を…
分岐点は二つあり、主にどの時期にキトの話した傭兵の事件があったかで少し話は変わります。
自身をキトと名乗る限りなく人間に似せて化けた年老いた魔物は、仮面の一族という傭兵を生業とし、散り散りに別れて生きる一族に化けた。
その仮面は彼の顔を隠し、彼が長命であることを欺くことに適していたからだ。
そして、その一族の剣技は彼を人間として生きる為の術としても使えたからだ。
彼は魔物でありながら、人間に興味を持っていた。
いや、それはむしろ人間という種への憧れに近かった…
彼は人間の醜悪な側面や欲望に忠実に生きる姿に興味を持っていた。
この世界の真実を知らず、ただ脈々といけにえの儀式と呼ばれる世界に何の進歩ももたらさないモノに嬉々として同種の命を費やすことも厭わない様を見て、愚かさを感じるも、また親愛の情を覚えていた。
人間に紛れて生きる続けるキトだが、ある領主の依頼により城下に迫る魔物の群れから城下を防衛する依頼を受ける。
領主とその息子である次期領主は、傭兵と自国領兵による防衛線を敷いていた。
そんな城下ではこんな話でもちきりだった。
「この城を出発した、いけにえ様の旅の成功を祈って乾杯!」
「今回のいけにえは、前回のいけにえの儀式を成功させた【いけにえ様の娘】らしいぞ!」
「それまでの辛抱だ!」
「なんとしても魔物の侵攻を防ぐぞ!」
防衛の任につく領兵たちも浮かれているようだった。
(何も知らないのが人間の幸せなのか、それとも知った上でもそうなのか…)
この任務についてしばらくして、キトはある仮面の一族の傭兵も作戦に加わったことを知る。
その男は無口であったが、言葉を交わせば老人に手厳しい物言いをする男だった。
魔物侵攻による防衛戦は度々起こり、戦いに不慣れな領兵から傷つき倒れていった。
倒れた領兵が徐々に死にゆく姿を見守り、感謝の言葉を述べながら涙する領主。
その息子はそんな父を見て苦々しい顔をする…
(親子であってもまるで違う…)
それもまた人間というものであり、キトはより人間に関心を持つのであった。
ある時、幾度の防衛戦の中でも特に激しい戦いがあった。
防衛線から大きく離れた僻地の部隊にキトと彼はいた。
特にその戦いは激しく、気づけば踏み留まる領兵も全て倒れ、キトと彼のみで戦線を維持していた。
「あんたも歳だ、そろそろキツイんじゃないか?」
戦闘の最中、背を預けあいながら戦う彼は、キトに声をかける…
「見ての通りの老兵だが、若いキミの方が息が上がっている」
「それだけ喋れれば大丈夫そうだな」
仮面に隠れてはいるが、彼の眼は疲労に耐えながらも笑っているように感じた。
「しかし、この依頼はとんだ貧乏くじだな。キミなら年寄りのワシを残して逃げ切れるのではないか?」
「俺は仕事を完遂する。できなければ仕事で死ぬ…それが俺だ」
その言葉と同時に、仮面の下の彼の表情が先程と変わった気がした。
「それに、あんたみたいな老い先短い年寄りでも、俺の目の前で死なれたら夢見が悪いからな」
「ほう、言ってくれる…」
「だから、俺の前で死ぬなよ…同族の爺さん」
「・・・」
それは初めての事だった。
生き死にの境界線に自ら踊り入るような一族であり、それが傭兵という生き方。
まして、この状況で生きるも死ぬも自身の技量と運次第。
それが無かった者から死んでいくと教えられた一族であり、他者の生死など所詮はその程度のものとしか思わない概念の一族。
(こやつ、ワシが魔物でお主よりも長く生きれる事を知ったらなんというか?)
キトは内心でほくそ笑む…
その一瞬のスキだった…
魔物がキトに向かって凶悪な双爪を振り下ろしていた!
しかし、その爪はキトを切り裂くことはなかった。
キトと魔物の間に彼が立ちはだかっていたからだ…
彼の剣は魔物を貫き、魔物の爪は彼を深く切り裂いていた。
それを見たキトは…
キトはその後、何が起きたか覚えていない…
そこには無数の魔物だったモノが蹂躙されたかの如く辺りに散っていた。
ただそこで息をしていたのは、キトと足元に倒れた彼だけだった…
彼は息も絶え絶えに、キトにこう言う
「爺さん、あんた凄いな…」
キトは彼を見て訊ねる。
「何故だ、何故あんなことをした?」
彼は言う…
「さっき言っただろ?それだけだ…」
「それだけ?」
「ああ、それだけだ…」
「馬鹿げている…」
「そうだ…人間だから馬鹿げているのかもな…」
「・・・」
長いキトの生で一度も感じることがなかった感情が溢れる…
「キミの名は?」
「・・・エンド」
それが彼の最後だった…
キトにもう一つ、感じた事の無い感情が溢れた…
今までただ見ているだけだった人間のやり方で、キトは彼の亡骸を手厚く葬った。
その後、キトはあの時感じた感情を振り返り、興奮気味にこう呟いた…
「ワシは、ついに理想の人間というものを見つけた…これが歓喜というものか?」
しばらくして、キトは朧げにこうも呟いた…
「そして、ワシはその人間を失った…これが喪失感…いや虚無というものか?」
それ以降、キトは【キトにとってどうでもよいこの依頼】を粛々とこなす。
依頼を破棄してどことなりと旅に出ることも出来た。
だが、何故かキトはそれを良しとしなかった。
依頼を完遂することがせめてもの彼への手向けとしたかったのか?
こうして、キトは城下防衛の依頼期限を全うする。
その功績は多大に評価され、領主とその息子はキトを城に呼び褒美と共に、功績を称える宴を行うことにした。
だが、キトにとってはどうでもいいことだった。
ただ、何故か気になったことがある。
宴の際、領主とその息子が城下の防衛と領民の犠牲についての考え方で激しい言い争いとなったことだ。
領民の犠牲を払うべきではないと主張し、代わりに難民を犠牲にすべきという息子…
城下に頼ってきた難民は支援すべき対象であり、領民の犠牲なくして城下や彼らは守れないと語る領主。
(どちらにしても、同属の犠牲は必要ということではないか?)
キトは愚かな人間の側面をただ眺めていた…
キトは隠れ家でもあった孤島の自宅に戻った。
そして、ただ生きていた。
いや、エンドという男についてキトなりに思いを馳せていた。
そうこうして城下を旅立ち幾月か経過した時、その時が来る。
キトは初めて違和感を感じることになる。
「これは…もしや何かが起きたのではないか?」
キトは孤島を出て街に出た。
そして気づいた…
時が数年巻き戻っていることに!
その事実に気づいたとき、彼は雪降る空に向かって大声で叫ぶ!
「これは、この機会を利用せずしてどうするか!?」
キトは動いた!
まず彼と出会う数年前に、かの領主の依頼を受けて城下の防衛戦に加わった。
キトは大いに暴れ、魔物を倒して功績を得た!
だが、前回のいけにえの効力は残っており魔物の数が少ない!
計画の為には相当数の犠牲が必要だった…
犠牲者の数が足りないと感じれば、闇に紛れて魔物に襲われたかの如く領兵も殺した!
全てはキトの願望の為に!
依頼期限が終わり、キトは領主とその息子に褒美の授与と功績を称える宴に参加する。
彼の読み通り、領主と息子は城下の防衛について言い争いをしていた。
(今こそがその時!)
キトは領主の息子が一人になった時を見逃さず、彼に近寄りこう告げる…
「もしも、領民の犠牲を払うことなく魔物の被害を抑える方法があればどうする?」
こうして、キトの策は成った!
数年後起きるであろう、彼の死を防ぐことができたのだ!
キトは胸を昂らせながら彼を探す旅に出た…
キトの策が成る少し前、封印されて停止した狭間の中で彼は気づいた。
ある魔物が何か…彼にとって、【とても重要な事実】を知ったようだった。
彼は年老いた魔物に意識を飛ばす。
その魔物は何を感じ、何を成したのであろう?
そして彼は知るのであった…
この封印を解き、彼の憎しみを解き放つ方法を!
この輪廻は打破できる!
その為には次に来るであろう【いけにえと呼ばれる少女】を殺せば良い!
だが、封印の効果で動かせる魔物の数は少ない。
そして、かの【いけにえの娘】が住む島に魔物が渡る前、本島から海を渡るその廃墟の街で何故か魔物が【何者かに殺されていく】
彼は考えた…
魔物で【いけにえの娘】を殺せないのなら、【人間】に殺させればいい!
残り少ない活動中の駒(魔物)に意識を飛ばす。
ある魔物のその近く、彼をこの状況に追いやった王家の末裔が死に瀕する状況にある…
コレは使える!
彼は魔物に意識を飛ばし、王家の末裔の娘へと誘導していく。
魔物の血を与え、コチラに引き込むために…
彼を探す旅に出たキトだったがその旅は数年に及ぶ。
方々へ散った仮面の一族を探すのは一苦労だからだ。
キトが知っているのは唯一の情報は、【彼の名がエンド】ということだけ…
そうこうして、本来であれば彼と出会う年になっていた…
その道中、彼は情報を得るためにある村に立ち寄る。
そこは過ちを犯した旧王家の末裔たちが住む村だった。
キトの出で立ちは相当に目立ったのだろう…
村を出てしばらくし、キトに迫る男がいた。
彼は騎士団の装いをした熟年の男だった。
男はキトにこう語る
「仮面の一族とお見受けする。名高き傭兵の一族として一つ依頼をしたいのだが?」
キトは考えた…
(まがいなりにも旧王家、依頼達成の条件に彼を探させるのに使えるか?)
キトは男の依頼内容を聞く…
もちろん、他言無用の依頼内容だった…
ある島の少女を殺せと言う依頼…
キトはふと思う。
(もしも、彼がこの依頼を受けたとして)
(彼はどういう行動を起こすのだろうか?)
(彼は依頼の完遂を尊んでいた。ならば、もちろん殺すだろう!)
(いやまて、ワシすらもかばって死んだ男だ。ならば、生かすのだろうか?)
キトは考えながら興奮する。
(もしも、ワシが会った理想の人間ならば、この依頼をどうするかを知りたい!)
かくして、キトはその男に提案するのであった…
「ワシも歳だ。この体はもうすぐに朽ちてしまってもおかしくもない…」
「代わりに、我が一族にどんな任務も完遂する男がいる。」
「もし、そやつがどこにいるかわかるなら、ワシが手引きするが、どうか?」
キトはニヤリとほくそ笑む
「あの男なら、この依頼を必ず遂行するだろう…」
キトは気づかなかった…
今、キトの仮面の下の表情は、かつてない興奮により紅潮していることを…
こうしてエンドは、キトと封印された彼の計画の因果により物語の舞台に上がる!
その観客席の隅には、彼の舞台に魅入る年老いた魔物がいた…
この場合、↑の妄想の刺し違えた傭兵=エンドの父として読み替えてくださいw
エンドの父が死ぬ間際、息子の名前を教え、息子に生きろと伝えるようキトに頼む。
セツナの旅による巻き戻りがあってもエンドの父は巻き戻れない。
キトは父同様の死がその息子(エンド)に訪れないよう、領主に提案。
以降、傭兵がこの防衛戦に参加することがなくなる。
キトはエンドに生きてもらうために傭兵を止めてもいいのではないか?と、遠回しに父の依頼を遂行する。
腕の立つ傭兵を求めて、エンドの噂を聞きつけたロッカスがいけにえ暗殺の依頼にやってくる。
※キトの依頼とロックスの依頼が重なっているため、やはりエンドの所在を掴むためにキトはロッカスにエンドを探させている可能性は高い?
キトにとって、このいけにえの暗殺依頼がエンドの最後の仕事として傭兵家業の幕引きにしたかった。
しかし、エンドは護衛団と共に歩むことになり、自己犠牲で死んだエンドの父の面影(理想の人間)を見出し、姿を隠しながらエンドの旅を観測し続けた…
本編的にはこんな感じかな?
そんな感じの私の妄想キト伝でしたw
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